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昨日の続き。今日はドイツのお話。 翌朝8時30分頃オフィスに着くと、今回のドイツ釣行をアレンジしてくれた「名誉顧問」はまず切り出した。 「ここでデジカメで撮っちゃうのではダメ?」 ブラッセルから東に約150km、ベルギーとの国境の街アーヘンから南に約30kmにあるモンシャウという観光地を流れるRhein川支流Rur川でブラウントラウトを釣る、というのが今回の計画である。ライセンスを発行してくれる市役所(Rathaus)、日券が買えるパン屋、釣りのできる区間、速度監視カメラの位置まで書き込んでもらったモンシャウ周辺の地図や、万一ライセンスが上手く発行してもらえなかった時に行くベルギー国内の渓流の地図等々をファイルしてもらって、ブラッセルを出発したのは13時前だった。 「市役所だとドイツ語しか通じないかも知れない。」高速を走りながら、ドイツ語のほとんどできないボクは、それが今回の一番のネックだなと考えていた。高速を1時間強、一般道を1時間弱走ると、市役所は比較的分かり易い建物だった。 …が、中には誰もいない。どうしたんだ、ドイツ人。真面目なはずじゃなかったのか? 少し辺りをうろうろしてみると左手に小さな図書館があり、中に司書がいるのがわかった。司書に「フィッシングライセンス」云々を持ちかけて通じる可能性は低いが、やむを得ない。 モンシャウは街中に石畳の張り巡らされた想像以上にそれらしい観光地だった。言われたパン屋を見つけて日券を買い、駐車場にクルマを停めて川の様子を見ると、すぐにフライロッドをもった3人組が見えた。月曜日なのに何やってるんだ、ドイツ人。ボクはすこし街の中心から離れた最下流の区間から入ることにした。 岩盤の色がそうなのか、水が茶色く濁って見えることを除いては、日本の渓流によく似ているというのが第一印象だった。強いて言えば、渇水だったことを差し引いても渓相に高低差が少なく流れが比較的フラットなのが欧州らしい。ふと目をやった流れ込みに、飛沫が上がった。ライズだ。ドイツでの記念すべき一投目に、ボクはアダムスパラシュートをキャストすることにした。 パシャッ。 何といきなり釣れてしまった。25cm程度のブラウントラウトだった。ともあれ目的地にたどり着き、無事ライセンスを取ってこうしてブラウンが釣れたことに、何だか少しホッとした。ドイツでの初ブラウンを記念撮影すると、ほぼ同じところでまたライズしたのが分かった。急いでリリースし、新しいパラシュートに結び直して2投目。…パシャッ。また釣れてしまった。今度は20cm弱のチビだった。恐るべしドイツの渓流。初めての場所で、2キャストで2ヒットなんて、もちろん初めての経験だ。…それから約3時間、ライズがあってもなくても、とにかくブラウンは釣れ続けた。 19:30になった。緯度の高いこの地はまだ昼間のように明るい。結局、数百メートル釣り上がったに過ぎず、30cmを超えるブラウンもとうとう出なかった。けれどすでに不思議な達成感と満足感があった。と同時に、この広いヨーロッパの見知らぬモンシャウという土地で、独り釣りに夢中になっている自分が少しおかしい気持にもなってきた。夢のような休暇だった。もうブラッセルに帰ろう。今晩もまたホテルで仕事しなきゃいけない。
by itotsuriguten
| 2005-06-16 06:20
| 欧州
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