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フライフィッシングを覚えたばかりの頃、「ストーキング」の意味が理解できなかった。
その当時、木曽川支流の付知川という川によく通った。キャンプ場がいくつも連なるような、河原の広く水質のよい里川である。結婚前のヨメさんを言いくるめて連れてくるのに、この川は最適だった。結局、毎回ヨメさんをキャンプ場に放ったらかしにして、暗くなるまで釣り上がってはまた下ってくるのだが、そのとき黒い影が川底を走って岩陰に消えていくのを何度か目撃して、ああ、だからストーキングなのか、と知った。 あれから7年。以前にも書いたが、昨年来ボクは矢作川上流の根羽川で釣りをすることが圧倒的に多い。これは、まずこの川がとても綺麗だということもあるが、同じ川に通っているとポイントや水生昆虫が分かるようになるのはもちろん、季節や自然の変化もよく分かるようになるからだ。そういうものに触れられるということは、釣りをしていて良かったと思える最大のポイントである。 この川に通い始めたきっかけは、けれどそれだけではない。 昨年初夏のある日、一日がかりで狙っていた一升瓶のようなアマゴをバラした。以来、この川からどうにも逃れられなくなってしまったのだ。毎週末、同じ淵に出かけては、同じアマゴが川底にいるのを確認する。…よしよし、まだ釣られていない…。そしてその週に巻いたフライを順番に試していく。と言っても、30分に1キャストのペースで全部ヘビーニンフ、しかも奴以外が掛かっても合わせない、という禁欲が必要である。奴はと言えばいつも通りボクのフライを無視し、ボクはそれを予定調和のように受け入れる。そうか、やっぱりダメか、なるほど…よし、来週はあれで行こう。…この繰り返しである。 一匹へのストーキング。フライフィッシングの最大の楽しみは、やはりこれに尽きると思う。
by itotsuriguten
| 2005-07-01 23:59
| 本州
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