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5〜6月で空いている週末は6月の14-15日の週のみ、と船長に言われたとき、気付くべきだった。随分人気だなと思ったが、それ以上のところまで想像が及ばなかった。
どんな想像に? 沖縄本島から南東20マイル沖のマグロが、関東圏の人気河川並みにフライにスレてしまっているという想像に…。 事前の雨の予報が外れて曇天の中に青空が広がる釣り日和、ボクら3名はすぐに目が点になった。 昨年同様、パヤオに着くと冷凍キビナゴをパラパラと撒く。と、数分で黄色く光る弾丸が50〜60メートルの水深から数メートルのところまで浮き上がってくる。昨年の経験則では、この時点で勝負は7割方着いたも同然である。あとは昨年ボクを含めてBozemannがのべ3度の試行錯誤によって熟成させたフライを送り込むのみ。…さあ行けっ。 ………。 あれっ。ホンモノだけがキレイに片付けられ、我々のフライは空しく海面を漂っている。もう一度キビナゴを撒く。やはり数秒で食い尽くされる。…もちろんホンモノだけが、である。ひぇー。 さっさとキビナゴをあきらめ、デシーバーを引き始めた会長にアタリが出始める。同じ結果を何度か繰り返すうち、確かにその方が賢いような気がし始める。会長が言うには、昨年10月もキビナゴフライには相当スレていて、引っ張らないとどうにもならなかったそうである。だとすると、今年はもうそうなっているということかもしれないが、どこかでそうは信じたくない自分がいる。 タナを変えてみる。450グレインのラインの重みを活かして沈め続ける作戦に出て数度目、水深5〜6メートル程度のところでグーンとラインが引かれ始める。来たっ! 追い合わせを入れると、サカナは驚いて走り始め、リールが悲鳴を上げる。速い速い。あっという間にラインが出し切られ、パッキングが海面に飲み込まれ始める。5m、10m…。…これはドラグが弱いかも。慌てて締める。が、止まらない、どころかさらに加速している。キーンという音がし始める。こんな逆転スピード見たことない。ドラグノブを回し続ける。が、効かない。まずい、バックラッシュする。止まれ止まれっ。…願い通じてサカナが止まった瞬間、ラインはテンションを失っていた。 …あははは。不思議と笑いが込み上げてくる。これだからこの釣りは辞められません。 しかしこの後も、とにかくキビナゴフライには出ない。疑いが確信に変わっていく。サカナはフライを見切っているのである。 今回から投入のリヤフックタイプのフライに代えてみると、多少アタリが出始める。2度ほど数十センチ引っ張られて吐き出されることを繰り返した後、ガツンと引っ張られる。追い合わせを入れると、竿がぐっと絞られる。よっしゃ、乗ったっ。が、ダッシュが始まると、今度は一瞬でテンションが無くなる。…え゛っ。20lbのショックリーダーがあっさり切られている。おいおい、どんなパワーやねん…。 結局、最初に釣れたのは開始後2時間以上経ってからだった。フライはリヤフック・キビナゴ。その後、ノーマルタイプでも釣れた。が、ハッキリ言って「たまたまウブな子が掛かってくれた」という感じ。結局、3人がかりで投げ込み続けたキビナゴパターンで掛かったのはたった4匹で、結果としてデシーバーの引っ張りと互角という予想だにしない結果に終わった。驚いたのは、普通のキビナゴフライのハリに、ホンモノのキビナゴを付けたぐらいではやはり見切られるということである。 帰りの車中、我々は一つの仮説に達した。EZキビナゴを開発した時点で、我々はこの釣りを克服したつもりになっていた。が、鍛えられたマグロの視力は尋常でなく、フライに新しい着眼点が必要だということである。…この仮説を検証すべく、Bozemannの5回目の沖縄ツアーが開催されることは確実な情勢である。
by itotsuriguten
| 2008-06-15 23:50
| 沖縄
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